病院の食堂でお昼を食べて、また席を外していた禄輪さんが戻ってきた。


「すまん巫寿、所用ができた。今から人に会うことになってしまったんだが、ゆいもりの社で待っていてもらえるか?」


泣きじゃくって浮腫んだ私の顔を心配そうに禄輪さんが覗き込む。

すん、と鼻をすすって「分かりました」と答える。



「申し訳ない。神主には伝えてある。車が出るのは20時だから、19時には戻るようにする」


そして禄輪さんとは病院の玄関でわかれた。

どうしよっかな、と空を見上げる。


まだお昼すぎ、禄輪さんが戻るのは19時だから随分と時間がある。

神社で待たせてもらうのも、この顔じゃ気が引ける。


家、帰ってみようかな。玉じいにも、事情をちゃんと話せずに家を出てしまったからきっと心配してるに違いない。

会って、元気にしていることを伝えたい。

この顔だと、余計に心配をかけそうだけれど。



家に帰ることに決めて、最寄り駅に向かって歩き出した。