「薫から聞いたぞ。言祝ぎが安定してきたらしいな」
「あ、えっと……それはその、私の力ではなくて、眞奉と結びを作ったからなんです」
「騰蛇との呪誓《じゅせい》が切れた時、何となくそうだろうと思った。だがそれまでの巫寿の努力があったからこそ、操れるようになったんだ」
そう、なのかな。
眞奉のおかげなのが大きいのは自覚しているけれど、少しは自分の力でできるようになったと思ってもいいのかな。
「自分を誇っていい」といわれて、ちょっと泣きそうになった。
「父さん譲りの勤勉さだからな。巫寿は努力すればなんでも出来るようになるさ」
ゆるゆる緩む頬を隠すように膝に顔を隠した。