「巫寿? なにぶつぶつ言ってんだ?」
「あ、えっと、何でもない……!」
「そう? 薫先生が火鎮祝詞やってみなって言ってる」
そして用意された怪し火もなんの問題もなく火鎮祝詞で祓うことができた私は、みんなの祝福の言葉を曖昧に笑って受け流すことしか出来なかった。
「次の授業から、巫寿も通常の授業に戻れそうだな。うん、いい調子」
薫先生は顎に手を当てて含みのある笑みを浮かべた。
「ゴールデンウィークの課外授業にも参加できそうだね。うんうん、いい調子」
課外授業?
聞き返すみんなの声が揃った。
「喜べ子供たち! ゴールデンウィークに君たちの罰則を免除する代わりに、課外授業をすることになったよ。薫センセイに感謝しろよ、罰則の日数が減ったんだからな、あははっ」
はあー!?とみんなの怒りの籠った声が演習場に響く。
「罰則より嫌なんだけど!?」
「どうせまた自分の仕事押し付けようとしてるだけだろっ」
「課外授業って言葉の響きがもう怖くて眠れない……ッ」
「俺、文殿の整理で大丈夫です」
「まあまあ。そんなに遠慮すんなよ」
してない!
また声が揃う。