時刻を知らせる鐘が響き、御神木にとまっていた鳥たちが一斉に羽ばたいた。



その時、バサバサッ────と物が崩れ落ちる音がしてはっと振り返る。

慶賀くんと泰紀くんが積み上げた本のタワーが崩れ落ちたらしく、床に書物が散らばっていた。


「あちゃー」と苦笑いで歩み寄るいくつか拾い上げてホコリを払う。眞奉も淡々とそれを拾い上げていく。


「ありがとう。片付けたら戻ろっか」


なんとなく外に視線を向けると、眞奉と同じ色をした燃えるような夕暮れの空が広がっている。

とても美しく少し恐ろしい。


これからどうすればいいんだろう、ぼんやりそんなことを考えた。