……おかしい。

だって少なくとも、開門祭の話をし始めた頃に階段を登り始めた。そして私の記憶が正しければ、この踊り場を四回は通っている。

いつもなら上の階へ行くのに階段の踊り場はひとつしかないはずなのに。


どういうこと……?


階段の手すりから身を乗り出して、上の階を見上げる。

普段なら上の階の廊下や窓が見えるはずなのに、そこに見えたのはさらに上へと続く階段だった。



「あっ、今日って15日じゃん!」

「ホントだ。すっかり忘れてた」


「げー」と面倒くさそうに顔を顰めた慶賀くん。

皆も疲れた顔をして階段を降り始める。



「15日? それと何が関係してるの?」


歩き出したみんなについて行きながら尋ねた。