「何を言ってる、と言いたいのは俺の方だ。害ある妖を祓うのも神職の勤め。お前たちは神修で何を学んでいる?」

「今回は俺と泰紀が柵を壊して、こいつらを逃がしちゃったから悪いんだ! こいつらはなんにも悪くない!」

「結果として多くの妖に被害を出している。祓う理由はそれだけで十分だ」

「状況考えろよ! これだから本庁派はッ……!」


顔を真っ赤にした慶賀くんが恵生くんに掴みかかったその瞬間、



「────化性《けしょう》の者か魔性《ましょう》の者か正体を現せ。化性の者か魔性の者か正体を現せ。化性の者か魔性の者か正体を現せ」


第三者の声が聞こえたかと思うと、パキッとかわいた音を立てて面にまっすぐと亀裂が入った。

真っ二つに割れた面は私の足元に落ちる。



「嬉々先生……」


そう呟いた嘉正くんも割れた面が足元に落ちている。

はっと振り返ると、鋭い目でこちらを見据える嬉々先生の姿があった。