「すねこすりって言うのは幽世に住む動物型の妖でね。立ってる人のすねに体を擦り付けて転ばせる、ちょっと厄介な妖なんだ」

「なるほど、だから"すねこすり"。それで皆四つん這いなんだね」


四つん這いになったあやかし達が社頭を右往左往している姿に、思わずぷっと吹き出す。

少し前まではあんなに怖いと思っていたはずなのに、今はなんだかおかしい。


「立ってると転ばされるから、巫寿も四つん這いで移動した方がいいよ」

「わかった……!」


そうして、逃げ出したすねこすりを捕獲すべく私たちは動き出した。