まだ明らかに人の姿では無い妖を見つけると驚いてしまうけれど、嘉正くんの背中に隠れながらもお店を見て回るくらいには心に余裕が出来た。
嘉正くんが知り合いの妖が居る出店に立ち寄って少し立ち話もできるようになって、そんなふうに過ごしていると真夜中の十二時を知らせる鐘が響いた。
鐘の方をみた来光くんがため息を着く。
「慶賀たち、見つからないね」
「先に戻ったのかもしれないね」
そろそろ戻ろうか、と嘉正くんが言いかけたその時、「きゃーっ」と夜を貫くような甲高い悲鳴が響き渡った。
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