そうとだけ言って踵を返し、あかりの灯る社頭の方へ歩き出した。
重い沈黙が流れる。間違いなく私のせいだった。
「────寮、戻ろうか。やっぱり、門限破って外に出るのは良くないよね」
戻る理由を私のせいにしなかった嘉正くんの心遣いは直ぐに気が付いた。
「俺と来光で、先行った二人のこと手分けして探してくるよ。巫寿は先に戻って木の下で待ってて」
振り向いて来た道を見る。
明かりのない真っ暗な道のり。来る時はみんなで歩いたから何ともなかったけれど、一人で歩くのは心細かった。
社頭の怪しげなオレンジ色明かりと、真っ暗な道を交互に見る。
「私も一緒に居ていい……?」
「でも、僕ら社頭の方まで行くよ?」
一人で戻る方が心細かった。
こんなだから恵生くんにああ言われてしまうんだ。
自分でも分かっているはずなのに、臆病で弱い自分が直ぐに出てきてしまう。
「分かった。巫寿は俺の服の裾を掴んで、下を向いてなよ。俺の弟も怖がりだから、いつもそうしてるんだ」
そう言って微笑んだ嘉正くん。
「はい」と私の手首を掴んで自分の裾を握らせた。