「ここは神職を育てるための学校だ。ろくに言霊の力も扱えず妖を厭い授業も邪魔をする割に、なんの努力もしない。迷惑だ」
冷たい目が私を真っ直ぐに見ている。居心地の悪い視線に俯いた。
「ちょ、ちょっと恵生くん! いくら何でも言い過ぎだよッ」
「そうだね。今のはちょっと言い過ぎだと思う。それに恵生が知らないところで、巫寿はとても努力をしているよ。神職は人にも妖にも平等で正しくあるべき存在だ。なのに頭ごなしに否定するのは、見習いという立場だったとしても良くないよね」
咄嗟に庇ってくれた来光くんと、冷静に間に入った嘉正くん。
庇われる自分も、何も言い返せない自分も情けない。
恵生くんの言うことはその通りだから。
「じゃあなぜ、影で努力しているはずなのに、入学初日から何も変わってないんだ? それは、そいつが神職になる意思がないから、何も変わらないんだろう」
「そいつじゃない、巫寿だよ」
直ぐにそう言い返したのはやっぱり嘉正くんだった。
恵生くんは顔を顰めて私を睨む。
「……やる気がないなら出て行ってくれ。神修はただ学ぶためだけの学校じゃない」