朝ご飯を食べた後、なんとなくやる気が起きなくて部屋の中でダラダラと過ごしていた。
宿題も残っているし授業の予習だってしないといけない。みんなは禄輪さんに特訓をつけてもらっているらしいし、みんなよりも劣っている私は率先して教えてもらわないといけないはずなのに。
漫画を読んだりうたた寝をしたり過ごしていると、気がつけば窓の外は真っ暗になっていた。
のっそりと起き上がって手櫛で髪を梳く。時計を見上げると夜の10時を過ぎていた。
一日中ゴロゴロしていただけだけど、お腹がきゅうっと鳴る。
晩御飯、まだ出してくれるかな。
ふう、とため息をついてベッドから降りたその時。
コンコン、と何かが叩かれる音がした。
ドアがノックされたのかと思って開けてみるも、そこには誰もいなかった。
もう一度、こんこんと何かが叩く音。
後ろから聞こえたような気がして振り返る。反対側にあるのはカーテンを敷いた窓だけだ。
まさか、ね……。
だって私の部屋は学生寮の3階だ。きっと窓の外の楠の枝が当たったか、鳥がガラスを突いたんだろう。
恐る恐る歩み寄り、シャッとカーテンを開いた。
「……わっ!」
窓の外の楠の枝に、慶賀くんと泰紀くん、それに嘉正くんの姿があった。
慌てて窓を開け身を乗り出す。