玉じいに飛びつく形で部屋の中へ転がり込んだ。


「巫寿!? 迎えに行くって連絡したろう!」

「────っ、誰かが、後ろに……」


息を切らしながらそう伝えると、玉じいは私を背に庇ってすぐにドアを閉め鍵をかけた。ドアスコープを覗き込み、外の様子を伺う。


心臓は走っていた時のままバクバクとうるさかった。

玉じいは「"何も"いない」と振り返って私の肩を抱いた。


「一旦落ち着いて、休んでいきなさい」


どっと疲れが出たのか安心したのか、瞼が熱くなって返事は声に出さず頷いた。