「あの、私その空亡っていう妖と戦った時のこと、あまり知らなくて」 「まあ、そうだよね。つい先日までは、この世界のこともしらなかったんでしょ? 仕方ないよ」 「だから、その時何があったのか知りたい。みんなは何と戦っていたのか」 「……あんまり気分がい話ではないよ」 「うん、わかってる。私の両親は、空亡に殺されたから」 嘉正くんは目を見開いた。 「じゃあ場所、移そうか」 そう言って窓の外を指差したので、一つ頷いて外に出た。