いつも落ち着いた雰囲気の嘉正くんとは大違いで、まるで宝物を見つけた小さな子供のように興奮気味に身を乗り出す。


「そう、かな……?」

「そうだよ! 禄輪禰宜はずっと俺の幼い頃から俺の憧れだったんだ。強くて、責任感があって、それなのにユニークな所もあって」


なんだか身内を褒められているような感じがしてくすぐったい。


「禄輪さんって、どうしてそんなに有名なの……?」

「12年前の空亡戦で、空亡を自滅に追い込んだ張本人だからだよ」


その言葉に目を見開いた。

それは12年前、お父さんとお母さんを死に追いやった妖だ。