後悔ばかりが次から次へと溢れる。
今更後悔したって、もう遅いのに。
袖で頬を拭う。
しっかりしなきゃ。私しかいないんだから。
そう自分を奮い立たせて鼻を啜って顔を上げた。
電車はちょうど地上から地下へ入ったところだった。
次の瞬間、ヴンと音を立てて車内の電灯が一瞬消える。
え、と顔を上げると電灯はきれる寸前のようにジジジと音を立てて点滅を始めた。
まわりを見回したけれど、他に乗車客はいなかった。
なんだか嫌なな感じがして、ドクドクと心臓が早く波打つ。それまで何ともなかった車内が、やけに寒いような気がして両腕を抱きしめた。
窓の外はまだ地下だった。
気のせいだって分かってるのに、暗闇から誰かが私を見ているような気がする。
……大丈夫、大丈夫。
お兄ちゃんが倒れて心細いから、不安な気持ちになっているだけだ。
そう言い聞かせてスマホを強く握りしめた。