「言祝ぎの要素が強ければ、もし間違って誰かに「死ね」と言ってしまっても、その人間は重症を負う程度で命は助かるだろうね。けれど呪の要素が勝っていれば、それは完全な言霊になる」


つまり、その言葉だけで本当に、人を殺せてしまうということ?


「もちろん巫寿達が持つその力は、全てのものを導き、助け、慈しむためにある。けれどそれだけ強い力だと言うことを常に念頭に置くように」


皆が険しい顔でひとつ頷く。


「で、話を戻すと巫寿はめちゃくちゃ言祝ぎの要素が強いからレベル1の祝詞を唱えても、効果はレベル95くらいの威力で発動するってこと。今回あの森一体が一瞬で修祓されたのも、入学式の完全浄化も巫寿のおかげだね」



すげえ!と皆が目を輝かせる。

そんな様子に、やっと少しだけ自分の力が特別であることを自覚する。


私の力って、ひょっとしてすごい力なの……?



「ま、大きい効果が発動する分、霊力使い切ってぶっ倒れる用じゃ諸刃の剣と一緒だよ。何の役にも立たないから、自惚れないように。ははっ」


一瞬でも自惚れた自分が恥ずかしくて顔を赤くして俯いた。