教室に着くと、もう教室には三人の男の子がいた。
一年生は六人だからこれで全員なんだろう。
「おっ、やっと来たか! おせぇぞお前ら!」
ニカッと白い歯を見せて笑う笑顔が印象的な男の子。嘉正くんよりかは少し背が高く、体つきが逞しいからもっと大きく見えた。
「おはよう、みんな」
もう一人の男の子は眼鏡をかけた小柄な男の子。のほほんとした雰囲気で、大人しげな性格みたいだ。
もう一人は切れ長の目と整った顔立ちが印象的な男の子だった。
私たちが教室へ入ってくると、ちらりとこちらに目を向けたが、我関せずといった風にまた手元の本に視線を落とす。
「おっ、噂の編入生だな! 俺は近衛《このえ》泰紀《たいき》! これからよろしくな!」
手を差し出した泰紀くんは私の手をがっちり掴むと、ぶんぶんと上下に激しく振った。
体型から想像はついたけど、思った以上の力強さだ。
「ちょ、ちょっと泰紀。相手、女の子だから……。僕は松山《まつやま》来光《らいこう》です。これからよろしくね」
オドオドしながらも止めに入ってくれたその男の子は、来光くんと言うらしい。