「〜っいてて、あれ。これ、折り紙?」


よく見るとそれは鳥ではなく、精巧におられた紙の鳥だった。


「正確には霊符、でございます。解いてご覧なさい」


そう言われて破らないように慎重に折り目を解いていく。

すると裏には禄輪さんの文字が、表には文字とも絵とも言える不思議なイラストが描かれていた。



「トウダさ……トウダ、これは何?」

「便りを運ぶための霊符でございます」

「この紙が?」

「はい」


目を瞬かせながらひっくり返し、裏に書かれた手紙を読んだ。



『無事学校には到着したみたいだな。薫から早速「巫寿が倒れた」と便りが届いて肝が冷えたぞ。慣れない環境で初めての事ばかりだろう、決して無理はせず、困ったことがあれば直ぐに周りに頼りなさい。どうにもならない時は私に知らせること。それと、やはりしばらくの間騰蛇《トウダ》は正式に巫寿に付くように言い付けた。私ではなく巫寿が主だ。騰蛇は承諾しているから、あとは結びを作りなさい。方法は騰蛇から聞いてくれ。力になってくれるだろう。それでは、近いうちにまた会いに行く。』


丁寧な時でそう書かた手紙は、読み終わるとふわりと白い煙になって空気中に溶けた。



び、びっくりした!

これって溶けちゃうものなんだ。