「えっと、1限目がオリエンテーションで、2限目は社史、3限目が妖生態学に4限目が霊符入門Ⅰ……詞表現演習?」


翌朝、入学案内と共に送られてきた授業要項の冊子と睨めっこしながら、本棚にギチギチに詰められた教科書や巻物を引っ張り出す。

聞きなれない授業名に、必要な教科書がどれなのか何一つ分からない。


授業に参加する前なのに、もう目が回りそうだ。



「────巫寿さま、便りが届いております」


背後でそんな声がしてばっと振り返る。

いつもと変わらずすまし顔のトウダさんがそこに立っていた。



「び、びっくりした! トウダさん!」

「私めに敬称を付けるのはおやめ下さい。禄輪より、しばらくの間は巫寿さまに正式にお仕えするようにと仰せつかっております。巫寿さまは我が君となられたお方です」

「え、そうなんですか……?」

「はい、こちらにその旨が書かれた便りが」



そう言ってトウダさん……トウダはガラス窓を開ける。

すると小さな白い小鳥が勢いよく飛び込んできた。


勢いのまま私に突き進んできたその鳥は、止まることなく私の額に突っ込んできた。

いて!と悲鳴をあげる。


鳥がよろけて落ちそうになるのを慌てて両手でキャッチした。