いたたまれない気持ちになりながら、小鉢のひじきをもそもそと食べた。


「それにしても、今年の報告祭は驚きの連発だったよね〜」

「そうだな。まさかあの禰宜《ねぎ》が帰ってこられたなんて」

「それにあの完全浄化も!」



興奮気味にそう話す二人についていけなくて首を傾げる。

どうやら私が気を失ったあと、何かがあったらしい。



「その、ネギっていうのは……?」

「神修は学校だけれど、俺たちは隣接してる社に奉仕する神職という形だって来る時に話したでしょ? その社が"まねきの社"って言うんだけれど、その"まねきの社"の3番目に偉い人が禰宜という役職の人なんだ」

「招きの社?」

「招き猫の招きじゃなくて、"学《まね》ぶ起点"と書いて学起《まねき》。社の名前はひらがな表記が鉄則!」


なるほど、と相槌を打つ。


禰宜というのは役職名で、社の3番目に偉い人のこと。

覚えることが沢山あって大変だ。



「禰宜って人は、どうして今までまねきの社にいなかったの? 社で働く人なんだよね?」



そう言うと、二人は途端に少し困ったような険しい顔をする。