震える足で側へよる。布団から出た腕も固定するギプスが巻かれて力なく横たわる。

青白い顔からは生気が感じられず、心音を示す電子音だけがお兄ちゃんの生存を示している。


「お兄ちゃん……?」


手を伸ばして指に触れた。

冷たい、まるで人形のようだった。


「お兄ちゃん、祝寿(いこと)お兄ちゃんっ」


指を強く握りしめて名前を呼ぶ。

何度問いかけても返事はない。


『どうした巫寿!』いつも太陽みたいな笑顔で振り返るお兄ちゃんは、もうそこにはいなかった。