皇帝は野心にあふれており、姫君が止めても戦争に出かけまわりの国々を飲み込んでいきましたが、決してそういった国々を虐げることはありませんでした。負けた国の人々を必要以上に苦しめることなく、そして前の王様よりもずっと良い方法で国を治めることで、数年後には人々に喜ばれました。
 そうして皇后となった姫君は、約束通りにいつも皇帝のとなりにいて、金の鈴をふるような美しい声で歌を歌い続けたのです。
 やがて皇帝が年老いて子どもたちが国を治めるようになっても、いつまでも。




終わり