「いや、違うんですって〜。ホントに」
夜、梢が昼間の余韻で不機嫌なまま、部屋に帰ったあと、涼夏がなぜだか冷蔵庫に入っていたビールを取り出してきて、アヤさんに渡し、アヤさんは一本で出来上がった。
「うん」
涼夏が相槌を打つ。雅が頬杖を外しながらきいた。
「どこが違うの?」
「根本的に、ですよぉ・・・・・・梢さまは自立心がなくて、あ、ちなみに友人関係もうまくいってません」
「うぉお・・・・・・」
さばさばした言い方に、梨乃が苦笑いする。
「旦那さまと奥さまは、自立心か、友達を作ってあげたかったんですって。だから、一人暮らしでもシェアハウスでもよかったんです・・・・・・そこんとこ勘違いされてるんですっ」
「ま、まあまあ」
どんと机を叩いて悔しげなアヤさんを、涼夏が宥める。
「梢さまが完全に拗ねて関わりを絶ってしまわれて、連絡船は俺だけですよ」
アヤさんの愚痴は続く。
「いい加減、この冷戦状態・・・・・・一方的ですけど、やめて欲しいんですよぉっ。俺が辛いんです。もう、好きなだけに余計に、板挟み状態です」
「おーっとっとっと・・・・・・ぉ」
いきなりすぎるどストレートな言葉に、小夜は思わず大声をあげて、椅子から転げ落ちそうになった。
「いきなりですねえ」
「好き。好きだって!」
梨乃も雅も、にやにや言う。ちらっと涼夏が上を見た。吹き抜けになった二階には、赤面した梢が立っている。
あ。いた。
「・・・・・・そこまで言うんだったら、明日行ってやってもいいよ」
「梢さまっ」
一気に酔いが覚めたみたいだった。梢が照れたように、いつも通りちょっとズレたことを言った。
「完全に盗み聞きスポットだね。ここ」
夜、梢が昼間の余韻で不機嫌なまま、部屋に帰ったあと、涼夏がなぜだか冷蔵庫に入っていたビールを取り出してきて、アヤさんに渡し、アヤさんは一本で出来上がった。
「うん」
涼夏が相槌を打つ。雅が頬杖を外しながらきいた。
「どこが違うの?」
「根本的に、ですよぉ・・・・・・梢さまは自立心がなくて、あ、ちなみに友人関係もうまくいってません」
「うぉお・・・・・・」
さばさばした言い方に、梨乃が苦笑いする。
「旦那さまと奥さまは、自立心か、友達を作ってあげたかったんですって。だから、一人暮らしでもシェアハウスでもよかったんです・・・・・・そこんとこ勘違いされてるんですっ」
「ま、まあまあ」
どんと机を叩いて悔しげなアヤさんを、涼夏が宥める。
「梢さまが完全に拗ねて関わりを絶ってしまわれて、連絡船は俺だけですよ」
アヤさんの愚痴は続く。
「いい加減、この冷戦状態・・・・・・一方的ですけど、やめて欲しいんですよぉっ。俺が辛いんです。もう、好きなだけに余計に、板挟み状態です」
「おーっとっとっと・・・・・・ぉ」
いきなりすぎるどストレートな言葉に、小夜は思わず大声をあげて、椅子から転げ落ちそうになった。
「いきなりですねえ」
「好き。好きだって!」
梨乃も雅も、にやにや言う。ちらっと涼夏が上を見た。吹き抜けになった二階には、赤面した梢が立っている。
あ。いた。
「・・・・・・そこまで言うんだったら、明日行ってやってもいいよ」
「梢さまっ」
一気に酔いが覚めたみたいだった。梢が照れたように、いつも通りちょっとズレたことを言った。
「完全に盗み聞きスポットだね。ここ」