「……で、お兄さん、イケメンですけど、LOVEとどう言った御関係で?」

YOU(ヨウ)は、ヤニだらけの口元を緩めながら、千夏を舐めるように見ている。

LOVE、『愛』とは、志田、愛瑠のことだ。そして目の前の男、YOU(ヨウ)は、志田大樹の大学の先輩、古林洋介(ふるばやしようすけ)

コカインの横流しを全て志田大樹のせいにして、自分は、細々とバーを経営しながら、相変わらず、コカインを売り捌いている。所謂、社会の中のゴミ屑だ。

蛍が、死んだ時に、古林に任意で別の刑事が事情聴取をしたが、結局、動機も証拠もなく、野放しになっていた。

まさか、ここに来て直接会えるとはな。

(少し遊んでやるか……)

「LOVEとは、此処とは別のバーで知り合ってね。何度かホテルで会ううちに、此処を教えてもらった」

千夏は、涼しい顔で嘘を吐きながら、ロックをまた一口、口に 含むとタバコに火をつけた。

「俺ら相性いいんで、また近く会うんだけど」

一人称で俺と使うのは、久しぶりだ。

(俺も悪くないな……)

千夏は、ククッと笑った。