「ふふふっ……」 

梨紗は、笑いが止まらない。

やっと、やっと解放された。蓮の欲深い、自分への執着と愛憎から。

あの花火屋が、こんなに役に立つなんて。事前にパソコンで、色々問い合わせておいて正解だった。

完全犯罪サイトを検索していて、偶然見つけたのが、この花火屋のサイトだ。

キャッチコピーは『花火が終わる時、隠された秘密の火花と共に命の灯火は消える。ただしあなたの欲望次第』

詳しくはコチラへお問い合わせください。

矢印の下の問い合わせボタンをクリックすると、決められた審査項目を満たした、特定の人物だけに、アカウントの鍵が知らされるのだ。
 
ーーーー面白い。自分の欲望を満たしてくれるか試してみよう。


翌週メールが届いた。


『審査基準に到達いたしました。アカウントの鍵はーーーーー』




【花火の取り扱い及び使用上の注意】 

『かならず夜または暗闇にて、対象者と二人きりで行うこと』

『見てはいけないモノ、隠しておきたいモノがない場合は、通常の花火のように燃えて終わります』

『花火は、利き手で持ってください。利き手以外は、効果が半減する恐れがあります』

『ススキ花火の取り扱いには特に気をつけてください。特殊な成分の量が多く含まれており、煙を多く吸い込めば、意識を喪失または、死亡の恐れがあります』

尚、このアカウント及びメールは、二十四時間以内に完全削除されます。