あらかた話し終えた私は、紅茶で喉を潤しながら、

「そういう事情で、もしかしたら聖女祭には私ひとりで伺うかもしれないわ。ルキウス様がそれまでに婚約を破棄してくださらなければ、今年も二人でお邪魔するでしょうけども」

「……わかりました。どちらでも平気なよう、お席は二つで考えておきますね」

「迷惑をかけてしまってごめんなさい、ロザリー」

 ロザリーは「迷惑だなんて」と首を振ってくれたけれど、私の我儘で振り回してしまっていることに違いはない。

(優しいロザリー)

「ロザリーにはね、どうしても伝えておきたかったの。大切なお友達だから。話せてよかったわ」

 私はロザリーにケーキと紅茶を口にするよう勧めて、自身もケーキをひとくち。
 と、彼女は真剣な面持ちでケーキを見つめたかと思うと、

「……明日は、満月」

「ん? ロザリー、なにか言いました?」

「マリエッタ様。明日の晩、ご予定ありますか?」

「い、いいえ。ルキウス様のお戻りは明後日のはずだから、用事はないと思うけれど……」

「でしたら、礼拝堂の閉まる少し前に、お祈りに来てはもらえませんか? 誰の目にもつかないよう、お忍びで」

「……へ?」