問われてすぐ、気付いた宮橋が目を走らせた。自身の目で確認するなり、「そんな馬鹿な事あるもんか」と警戒したような声で言った。
「僕らが捜している彼女は、鬼とは無縁の『ただの人間』だぞ」
「えぇと、じゃあ、あのツノって偽物だったり……?」
「残念ながら被り物じゃない、頭から『生えている』」
宮橋は、明るいブラウンの目を凝らして警告するような口調で答えた。
「でもおかしい、あの骨の影響だけでこうはならないはずだ。あれは『子』の骨だぞ。あれじゃあ、――まるで母鬼だ」
その時、少女の姿が通路の向こうへと行ってしまった。
ハッとしたように宮橋が動き出し、雪弥の背中をバンッと叩いた。
「ぼうっとしているところじゃないぞッ、追うんだ雪弥君!」
「分かってますってッ」
ほぼ同時に走り出した雪弥は、ぐんっとスピードを上げて宮橋の前を進んだ。少女と同じ方へ曲がってみると、囲まれたビルの背の間に出来たような細い道がいくつも続いている。
「僕らが捜している彼女は、鬼とは無縁の『ただの人間』だぞ」
「えぇと、じゃあ、あのツノって偽物だったり……?」
「残念ながら被り物じゃない、頭から『生えている』」
宮橋は、明るいブラウンの目を凝らして警告するような口調で答えた。
「でもおかしい、あの骨の影響だけでこうはならないはずだ。あれは『子』の骨だぞ。あれじゃあ、――まるで母鬼だ」
その時、少女の姿が通路の向こうへと行ってしまった。
ハッとしたように宮橋が動き出し、雪弥の背中をバンッと叩いた。
「ぼうっとしているところじゃないぞッ、追うんだ雪弥君!」
「分かってますってッ」
ほぼ同時に走り出した雪弥は、ぐんっとスピードを上げて宮橋の前を進んだ。少女と同じ方へ曲がってみると、囲まれたビルの背の間に出来たような細い道がいくつも続いている。