とっとと事を終わらせてしまいたい気持ちは分かる。

 ポッと湧いて出た急な捜索ではあるし、自分だって、何故こうして護衛兼パートナーをしているのかもよく分からないでいる。状況に流されるまま捜索活動に入っているわけだが、そもそも一体全体どうして今こうなっているのか、思い返してみても首を捻るばかりだ。

「先に言っておきますが、見付からなくても後で怒らないでくださいよ」

 渋々前を進みながら、雪弥は溜息交じりに言った。

「僕はそんな事で怒るほど度量は狭くないぞ」
「それから、この近くにいると言われても、僕には当てはありませんからね?」
「ひとまずは勘でいい。僕も行き先を考えるのに疲れた。さぁっ、とっとと前進だ!」

 再び歩き出した宮橋が、後ろから先程と違って元気良く声を掛けてくる。

 あ、疲れたのが本音かな……雪弥は遠慮なく言うところがある彼を思ってそう感じた。でも口にしたら、また頭を掴まれるか叩かれそうな気がして黙っている事にした。