歩道の信号が青になった道を進んだ。渡った先にも人の流れがあり、じょじょに先程のカフェの建物が遠ざかっていく。
「実を言うと、先に僕が説明した『子の骨』だが」
宮橋が人混みを眺めながら、ざっくりと説明するようにそう言った。
「影響を受けやすい人間の場合だと、宿っている記憶やら念やらを受信する事がある。無意識に精神が同調して、本人の魂が眠ったまま身体が行動に出たりする」
「……えぇと……、つまりいなくなった中学生の女の子は、無意識に出歩いている状態であると……?」
説明を聞かされているのに、やっぱりよく分からない。雪弥は道ですれ違う人をそれとなく避けつつ、自分より少し高い隣の彼の横顔を見やる。
「それって、本人は眠っている状態なのに歩いている、という解釈でいいんですか?」
「それで構わない。家を抜け出したナナミという少女には、出歩いている間の記憶も全く残らないわけだからね。――骨が『子』のものである事を考えると、まぁ、『母』を捜し歩いているといったところか」
「実を言うと、先に僕が説明した『子の骨』だが」
宮橋が人混みを眺めながら、ざっくりと説明するようにそう言った。
「影響を受けやすい人間の場合だと、宿っている記憶やら念やらを受信する事がある。無意識に精神が同調して、本人の魂が眠ったまま身体が行動に出たりする」
「……えぇと……、つまりいなくなった中学生の女の子は、無意識に出歩いている状態であると……?」
説明を聞かされているのに、やっぱりよく分からない。雪弥は道ですれ違う人をそれとなく避けつつ、自分より少し高い隣の彼の横顔を見やる。
「それって、本人は眠っている状態なのに歩いている、という解釈でいいんですか?」
「それで構わない。家を抜け出したナナミという少女には、出歩いている間の記憶も全く残らないわけだからね。――骨が『子』のものである事を考えると、まぁ、『母』を捜し歩いているといったところか」


