「朝、俺が話した被害者のこと覚えてるか?」
唐突に三鬼がそう切り出したタイミングで、藤堂が珈琲とカフェラテ、菓子類が乗った皿を持って戻ってきた。目も向けず財布を受け取るのを見やった宮橋が、「ああ」と言った。
「覚えてるさ」
「恋のもつれで、相手の男に殺された女学院生の――ああ、そういやポケットに入ってたのは、結局人骨じゃなくて、殺された山中で転がり入った動物の骨だったらしいが」
「君から話を聞いた後、調べてくれた奴から報告されて知ってるよ」
本当か嘘かも分からぬ調子で、さらっと宮橋は答えつつアイス珈琲を口にする。
どうぞと藤堂に言われて、雪弥は礼を告げてカフェラテを受け取った。皿には大きなスコーンが二種類、マフィン三種類、グラスの底ほどのサイズをした大きめのクッキーも多く盛られていた。つまみにしては買い過ぎのような、と思える量の気がした。
「これ、全部オススメのやつなんで、遠慮せず食べてくださいね」
先輩の奢りですし、と藤堂が腰掛けながら愛想良く促してきた。
唐突に三鬼がそう切り出したタイミングで、藤堂が珈琲とカフェラテ、菓子類が乗った皿を持って戻ってきた。目も向けず財布を受け取るのを見やった宮橋が、「ああ」と言った。
「覚えてるさ」
「恋のもつれで、相手の男に殺された女学院生の――ああ、そういやポケットに入ってたのは、結局人骨じゃなくて、殺された山中で転がり入った動物の骨だったらしいが」
「君から話を聞いた後、調べてくれた奴から報告されて知ってるよ」
本当か嘘かも分からぬ調子で、さらっと宮橋は答えつつアイス珈琲を口にする。
どうぞと藤堂に言われて、雪弥は礼を告げてカフェラテを受け取った。皿には大きなスコーンが二種類、マフィン三種類、グラスの底ほどのサイズをした大きめのクッキーも多く盛られていた。つまみにしては買い過ぎのような、と思える量の気がした。
「これ、全部オススメのやつなんで、遠慮せず食べてくださいね」
先輩の奢りですし、と藤堂が腰掛けながら愛想良く促してきた。


