「君、何か食べたいものは? 飲み物は、甘いカフェラテあたりを注文しようと思っているが」
「いえ、僕は静かに話を聞いていますから、お気になさらず――」
遅れて質問の内容を理解し、慌てて手を振ってそう答えた。
すると、三鬼が「あ? なんだ、小腹空いてんのか」と口を挟んできた。無愛想な眉間の皺を刻んだまま、それなら宮橋の言葉も納得だとテーブルに片手をつく。
「それならそうと言えよな。まだまだ若いんだし、食いたい時には先輩の奢りで遠慮せず食っとけ。体力もたなくなるぞ。それに、宮橋相手だと疲れるだろ」
「え、あの、違――」
「おい馬鹿三鬼、聞き捨てならない台詞だぞ。僕の何が疲れるというんだ?」
「そんままの意味だよ、捜査一課で一番好き勝手やってる問題児だろ」
慣れたように文句を言い合いながら、三鬼がジャケットの内側から、使い古した二つ折りの革財布を取り出して藤堂へ目を向けた。
「おい藤堂、お前が竹内達とココで食ってるクッキーだとかスコーンだとか、とりあえずつまめそうなもんを適当に注文してこい。んで、宮橋のいつもの珈琲とカフェラテだ」
「いえ、僕は静かに話を聞いていますから、お気になさらず――」
遅れて質問の内容を理解し、慌てて手を振ってそう答えた。
すると、三鬼が「あ? なんだ、小腹空いてんのか」と口を挟んできた。無愛想な眉間の皺を刻んだまま、それなら宮橋の言葉も納得だとテーブルに片手をつく。
「それならそうと言えよな。まだまだ若いんだし、食いたい時には先輩の奢りで遠慮せず食っとけ。体力もたなくなるぞ。それに、宮橋相手だと疲れるだろ」
「え、あの、違――」
「おい馬鹿三鬼、聞き捨てならない台詞だぞ。僕の何が疲れるというんだ?」
「そんままの意味だよ、捜査一課で一番好き勝手やってる問題児だろ」
慣れたように文句を言い合いながら、三鬼がジャケットの内側から、使い古した二つ折りの革財布を取り出して藤堂へ目を向けた。
「おい藤堂、お前が竹内達とココで食ってるクッキーだとかスコーンだとか、とりあえずつまめそうなもんを適当に注文してこい。んで、宮橋のいつもの珈琲とカフェラテだ」


