その時、藤堂が宮橋に訊いた。
「珈琲を注文しましょうか?」
「飲み物が要るくらい長くなる予定でもないだろう。――で、馬鹿三鬼、話ってのはなんだい」
宮橋が偉そうにして話を振る。その視線を受け取めた三鬼が、「チッ」と舌打ちして話す姿勢を取るように足を降ろした。
「相変わらず、話す前から内容が分かっているみてぇな口振りだな。ちょっとテメェに訊きたい事があって呼び出した、手短に済ませる」
「そうしてくれると助かるよ。それじゃ、早速話せ」
そう言った宮橋が、ふと、思案顔で「いや、ちょっと待て」と顎に手を触れた。数秒ほど考える様子を見せた彼に、三鬼が「あ?」と言って顔を顰める。
「やっぱり珈琲と、つまみの甘いものも注文させてもらおう」
「お前がそうすんのも珍しいな?」
「珈琲一杯分くらいの話しにはなりそうだし、雪弥君がいるからね」
唐突に自分の名前が出たかと思ったら、そのまま三人の目がこちらを向いてきた。三十代半ば過ぎの二人、二十代半ば過ぎの一人の中で、なんだか二十歳そこそこにしか見えない雪弥が「え」「あの」と反応に困っていると、宮橋が「それで」と続けて話を振った。
「珈琲を注文しましょうか?」
「飲み物が要るくらい長くなる予定でもないだろう。――で、馬鹿三鬼、話ってのはなんだい」
宮橋が偉そうにして話を振る。その視線を受け取めた三鬼が、「チッ」と舌打ちして話す姿勢を取るように足を降ろした。
「相変わらず、話す前から内容が分かっているみてぇな口振りだな。ちょっとテメェに訊きたい事があって呼び出した、手短に済ませる」
「そうしてくれると助かるよ。それじゃ、早速話せ」
そう言った宮橋が、ふと、思案顔で「いや、ちょっと待て」と顎に手を触れた。数秒ほど考える様子を見せた彼に、三鬼が「あ?」と言って顔を顰める。
「やっぱり珈琲と、つまみの甘いものも注文させてもらおう」
「お前がそうすんのも珍しいな?」
「珈琲一杯分くらいの話しにはなりそうだし、雪弥君がいるからね」
唐突に自分の名前が出たかと思ったら、そのまま三人の目がこちらを向いてきた。三十代半ば過ぎの二人、二十代半ば過ぎの一人の中で、なんだか二十歳そこそこにしか見えない雪弥が「え」「あの」と反応に困っていると、宮橋が「それで」と続けて話を振った。


