「番犬候補の若者よ、今日から三日後だ」
「三日……?」
「三日後、一族の全戦士を投じてお前を潰してくれよう。だが忘れるな、お前に逃げ場はない、『怨鬼』はどこまでも獲物を追う」
直後、ふっと小さな風を起こして大男と二人の男の姿が消えた。
暗殺に多い高速移動かと思ったものの、どういうわけか全く気配が辿れなかった。そこで気配はプツリと途切れてしまっていて、どういう事だろうなと思いながら、急に獲物が消えてしまった呆気に雪弥の戦闘体勢が解ける。
その時、後ろで落ち葉と土を踏みしめる音がした。
「不思議そうだね、雪弥君」
ふっ、と声を掛けられて、雪弥はハタと我に帰った。今更のように『この人がいたのだった』と思い出して振り返ってみると、そこには不敵な笑みを口許に浮かべている宮橋がいた。
目が合った彼が、にっこりと爽やかで美麗な笑顔を返してきた。直前まで、その存在感が全く意識から外れていた雪弥は、軽い足取りで距離を戻してくる彼を心底不思議で見つめ返す。
「三日……?」
「三日後、一族の全戦士を投じてお前を潰してくれよう。だが忘れるな、お前に逃げ場はない、『怨鬼』はどこまでも獲物を追う」
直後、ふっと小さな風を起こして大男と二人の男の姿が消えた。
暗殺に多い高速移動かと思ったものの、どういうわけか全く気配が辿れなかった。そこで気配はプツリと途切れてしまっていて、どういう事だろうなと思いながら、急に獲物が消えてしまった呆気に雪弥の戦闘体勢が解ける。
その時、後ろで落ち葉と土を踏みしめる音がした。
「不思議そうだね、雪弥君」
ふっ、と声を掛けられて、雪弥はハタと我に帰った。今更のように『この人がいたのだった』と思い出して振り返ってみると、そこには不敵な笑みを口許に浮かべている宮橋がいた。
目が合った彼が、にっこりと爽やかで美麗な笑顔を返してきた。直前まで、その存在感が全く意識から外れていた雪弥は、軽い足取りで距離を戻してくる彼を心底不思議で見つめ返す。