特殊機関では、本名ではなく偽名やニックネームなどで呼び合う。しかし、彼は正式にエージェント入りしても、堂々とそのまま「雪弥」と名乗っている風変わりで――それでいて、こう呼ばれている有名な最年少の一桁エージェントである。
『碧眼の殺戮者』
品を感じる綺麗な顔立ち、癖のない灰色とも蒼色ともつかない薄い色素の髪。美しく澄んだブルーの目をして、一見するとどこにでもいる無害な青年である。
だが、先日の任務で、とうに成人しているはずの彼が高校生として潜入捜査を行った事。そして、そこで『大量に処理』した事も、特殊機関本部では話題の一つになっていた。
その時、しばらく席を離れていたこの部屋の主が戻ってきた。
彼は自動扉をくぐって部屋に入るなり、歩き進みながら、ふと、二つあるうちの一つのソファに目を留めて顔を顰める。
「おい。お前、ここが私の仕事部屋だという事を忘れてはいないだろうな?」
「覚えていますとも。コロンと葉巻臭いんで、間違えるはずがないでしょう」
ふっと目を開けて、雪弥は答えた。
特殊な黒のコンタクトを取られた、クッキリとしたブルーの目を向けられた相手が、途端にむぅっと顰め面を強くして唇を尖らせる。
『碧眼の殺戮者』
品を感じる綺麗な顔立ち、癖のない灰色とも蒼色ともつかない薄い色素の髪。美しく澄んだブルーの目をして、一見するとどこにでもいる無害な青年である。
だが、先日の任務で、とうに成人しているはずの彼が高校生として潜入捜査を行った事。そして、そこで『大量に処理』した事も、特殊機関本部では話題の一つになっていた。
その時、しばらく席を離れていたこの部屋の主が戻ってきた。
彼は自動扉をくぐって部屋に入るなり、歩き進みながら、ふと、二つあるうちの一つのソファに目を留めて顔を顰める。
「おい。お前、ここが私の仕事部屋だという事を忘れてはいないだろうな?」
「覚えていますとも。コロンと葉巻臭いんで、間違えるはずがないでしょう」
ふっと目を開けて、雪弥は答えた。
特殊な黒のコンタクトを取られた、クッキリとしたブルーの目を向けられた相手が、途端にむぅっと顰め面を強くして唇を尖らせる。