長いこと領土の奪い合いで、特殊筋の家同士の戦争が続いていたという歴史を聞かされたばかりだ。蒼慶が口にしていた一部の文献にあった武才、戦国時代の絵に描かれていた戦争に使われていたという化け物、考えようによっては戦いに関するだろう。
そういえば、蒼緋蔵家も戦士の一族と言っていたか。そんな事を冷静な表情の下で、興味もなさそうに考えながら、雪弥は「で?」と冷やかに問い掛ける。
「『君』は、僕になんの用が?」
「ブラッドクロスは『番犬』の席が埋まるのを望んでいない。此度(こたび)は我らが第一陣として指名され、一族の戦士部隊総出でその懸念(こうほ)事態を潰す事が決まった」
雪弥は「ふうん」と、薄いブルーの色を覗かせる目をよそに流した。ブラッドクロス、というのが組織的な名前らしい事は分かった。でも、そんな事はどうでもいい。
「へぇ。僕を潰す、ねぇ」
形のいい唇からこぼれ落ちた澄んだ声に、不意に一帯が殺気で満ちた。
そういえば、蒼緋蔵家も戦士の一族と言っていたか。そんな事を冷静な表情の下で、興味もなさそうに考えながら、雪弥は「で?」と冷やかに問い掛ける。
「『君』は、僕になんの用が?」
「ブラッドクロスは『番犬』の席が埋まるのを望んでいない。此度(こたび)は我らが第一陣として指名され、一族の戦士部隊総出でその懸念(こうほ)事態を潰す事が決まった」
雪弥は「ふうん」と、薄いブルーの色を覗かせる目をよそに流した。ブラッドクロス、というのが組織的な名前らしい事は分かった。でも、そんな事はどうでもいい。
「へぇ。僕を潰す、ねぇ」
形のいい唇からこぼれ落ちた澄んだ声に、不意に一帯が殺気で満ちた。