西大都市は、二十世紀末に経済発展のため国によって建てられた新たな市だ。そこを中心に隣接する市も急激に都会化し、二十世紀に入った今では有名な大都会として知られている。
そこには、立派な市役所や水道局や裁判所などに紛れるようにして、国の秘密組織である国家特殊機動部隊総本部があった。ひとまとめに「特殊機関」と呼ばれており、組織は各役割に応じて枝分かれに続いており、各地にいくつもの支部を置いている。
特殊機関の人間は、総じて「エージェント」と一括りに呼ばれてもいた。
彼らは、高い戦闘能力・殺傷技術を持った軍人である。能力と実績によってナンバーを与えられており、トップクラスである一桁の数字の席はたった九人しかない。
そんな中、特殊機関のトップである「ナンバー1」の部屋は、特殊機関総本部の最上階にあった。そこは国の重要人物達だけでなく、二桁台のエージェントも緊張する場所なのだが――。
広い部屋の中央にある、応接席の大きな上質黒ソファの一つに、ブラック・スーツに身を包んだ一人の青年が、緊張感とは全く無縁の様子で足を上げて寝転がっていた。
数時間前の深夜、一旦の里帰りから戻ってきた「ナンバー4」、蒼緋蔵雪弥である。
そこには、立派な市役所や水道局や裁判所などに紛れるようにして、国の秘密組織である国家特殊機動部隊総本部があった。ひとまとめに「特殊機関」と呼ばれており、組織は各役割に応じて枝分かれに続いており、各地にいくつもの支部を置いている。
特殊機関の人間は、総じて「エージェント」と一括りに呼ばれてもいた。
彼らは、高い戦闘能力・殺傷技術を持った軍人である。能力と実績によってナンバーを与えられており、トップクラスである一桁の数字の席はたった九人しかない。
そんな中、特殊機関のトップである「ナンバー1」の部屋は、特殊機関総本部の最上階にあった。そこは国の重要人物達だけでなく、二桁台のエージェントも緊張する場所なのだが――。
広い部屋の中央にある、応接席の大きな上質黒ソファの一つに、ブラック・スーツに身を包んだ一人の青年が、緊張感とは全く無縁の様子で足を上げて寝転がっていた。
数時間前の深夜、一旦の里帰りから戻ってきた「ナンバー4」、蒼緋蔵雪弥である。