思い返して、雪弥は疲労と安堵が混じった溜息をもらした。
「許してもらえてほんと良かった……」
そう一番の本音をもらした時、ふと携帯電話に着信があった。まさか兄かと警戒した雪弥は、その画面に宮橋の名前を見て「あれ」と目を丸くした。
「宮橋さん、どうかしましたか?」
電話に出てすぐ、声をかれたら呆れられた。
『君ね、お久しぶりです、の前置きくらいしたらどうだい』
「すみません。昨日も話していたので、なんか離れている実感もなくて」
『まぁ、それは僕も認めよう。君と一緒に過ごした三日は、短いようでいて、長い三日だったね』
くすりと、電話越しに小さく笑う声が聞こえた。
今、彼はどんな表情をしているのだろうか。雪弥は、ふと気になった。あの宮橋が、珍しく柔らかい笑みを口元に浮かべているんじゃないかと――そんな想像が脳裏を過ぎっていった。
電話越しに、確かめる術はない。
「それで、どうかしたんですか? まさか宮橋さんから、昨日の今日でまた連絡がくるとは思っていませんでした」
『君が連絡しろと言ったんだろう』
「へ?」
『今日、新しい相棒がきたんだ。なかなか面白そうな新米の女性刑事というか。それでそういえばと思い出して、君に電話してやってわけだ』
雪弥は、その上機嫌そうな声を聞いて察した。わざわざ、こうして宮橋が電話で教えてきたほどだ。思わずクスリと笑ってしまう。
「許してもらえてほんと良かった……」
そう一番の本音をもらした時、ふと携帯電話に着信があった。まさか兄かと警戒した雪弥は、その画面に宮橋の名前を見て「あれ」と目を丸くした。
「宮橋さん、どうかしましたか?」
電話に出てすぐ、声をかれたら呆れられた。
『君ね、お久しぶりです、の前置きくらいしたらどうだい』
「すみません。昨日も話していたので、なんか離れている実感もなくて」
『まぁ、それは僕も認めよう。君と一緒に過ごした三日は、短いようでいて、長い三日だったね』
くすりと、電話越しに小さく笑う声が聞こえた。
今、彼はどんな表情をしているのだろうか。雪弥は、ふと気になった。あの宮橋が、珍しく柔らかい笑みを口元に浮かべているんじゃないかと――そんな想像が脳裏を過ぎっていった。
電話越しに、確かめる術はない。
「それで、どうかしたんですか? まさか宮橋さんから、昨日の今日でまた連絡がくるとは思っていませんでした」
『君が連絡しろと言ったんだろう』
「へ?」
『今日、新しい相棒がきたんだ。なかなか面白そうな新米の女性刑事というか。それでそういえばと思い出して、君に電話してやってわけだ』
雪弥は、その上機嫌そうな声を聞いて察した。わざわざ、こうして宮橋が電話で教えてきたほどだ。思わずクスリと笑ってしまう。