「……いつ?」

 ちょっと心の準備が欲しいかもしれない。昨日の疲れもまだ残っているし、正直休んで寝ていたい事を思いつつ、尋ねた。

「私は中身は見ていないが、蒼慶からの電話によると、二日後だ」

 兄さん、それ、あんまりなスケジュールじゃないですかね。

 雪弥は、くらりとした。


 そして二日後の朝、雪弥はろくに休みが取れなかった表情を浮かべて、本部の建物屋上にいた。本日、蒼緋蔵邸へ行かなければならない。

 休みは取れたものの、心境は複雑だ。兄に直に会って提案の了承は伝える予定ではあるものの、もう決定してしまっている事であるし、なんと言えばいいのか……。

「空が青い……このまま『ちょっと仕事があるんで』と言って、眠っていたい」

 塀にもたれた彼は、眠りが足りない様子で目をこすった。

 昨日は、黄色いスポーツーカーが用意できたとの事で、早速宮橋のところに送るようやりとりもしていた。

 まぁ、相変わらず元気そうで良かったけど。