なんだろうなと思って車窓へ目を向けた。けれど衝撃を覚えた助手席側からは、衝突したような物、もしくはその距離圏内に車やバイクなども確認出来なかった。
宮橋がチラリとバックミラーを見て、不自然にハンドルを切って車線を変更する。
すると、またしてもドッと同じ場所から鈍い振動を感じた。車窓から外の様子を覗き込んでいた雪弥は、その際、風が物体感をもって揺れるのを瞳孔開いた目で視認して、不思議に思い窓を開けた。
ごぉっと風が肌に触れて、前髪がバサバサと音を立てて舞った。やっぱり、こうして見てもぶつかってしまうような物は見当たらなくて不思議に思う。
「確かに空気が揺れる感じがしたんだけどなぁ……」
つい、そう疑問を口にしてしまったら、車を追い越すように車線変更しながら宮橋がこう言ってきた。
「さすがの動体視力だ、君の目に間違いはないよ。忌々しい事に、僕の車に体当たりしている『ヤツ』がいる」
「体当たりしている奴……? でも、何もないですけど」
宮橋がチラリとバックミラーを見て、不自然にハンドルを切って車線を変更する。
すると、またしてもドッと同じ場所から鈍い振動を感じた。車窓から外の様子を覗き込んでいた雪弥は、その際、風が物体感をもって揺れるのを瞳孔開いた目で視認して、不思議に思い窓を開けた。
ごぉっと風が肌に触れて、前髪がバサバサと音を立てて舞った。やっぱり、こうして見てもぶつかってしまうような物は見当たらなくて不思議に思う。
「確かに空気が揺れる感じがしたんだけどなぁ……」
つい、そう疑問を口にしてしまったら、車を追い越すように車線変更しながら宮橋がこう言ってきた。
「さすがの動体視力だ、君の目に間違いはないよ。忌々しい事に、僕の車に体当たりしている『ヤツ』がいる」
「体当たりしている奴……? でも、何もないですけど」