小さい方の飛翔物に関しては、身構えて身体に受け止める。

「くっそ、さっきからまるで幽霊みたいな弾だな!」

 腹部にあたった瓦礫を払いのけ、雪弥は愚痴った。先程から、このように少し調子もおかしい。くる直前まで、感知できない砲弾などが紛れていたりするのだ。

 すると、吹き飛んだコンテナの下から、よけきれずに爆撃されていた怨鬼が復活して、のそのそ出てきた。

「対特殊筋用だ。我も、おかげで何発かかすっている」

 闘気溢れる笑顔で、うむと頷いて怨鬼が言った。

 なんだそれ、聞いた事ない武器だ。そもそもお前、今当たってたろ、と雪弥はすごくツッコミしたくなった。

 でも、かすっている事についてもまた事実だ。これまでを思い返すと、ぐいっと口元の血を拭い忌々しげに答える。

「そんなの、さっきから見ていたから知ってる」

 厄介なのは、怨鬼がやたら頑丈なうえ、驚異的な治癒能力を持っている事だった。致命的な大きな負傷であるほど、目に見えるくらいハッキリと〝再生〟する。