刺激をしないように、とは常々伝えてあった。

 何が起こるか分からない。雪弥に付いている専属の暗殺部隊は、そちらについても任されているはずだった。

 そう考えるていると、別の男性職員がナンバー1に言った。

「それが、現場の近くにいた第四暗殺部隊も、この惨事直後まで気付かなかったそうです。強い爆撃の光りを認識して、まるで〝その時になって初めて認識できたかのように、唐突に爆撃だけが見えている状態だった〟、と報告が来ています」

 そんな事、ありうるのか?

 ナンバー1は、うまく現状が見えなかった。

「つまり現在も、現場の状況を正確に把握できていない、と?」

 ナンバー1は、慎重に確認した。

「はい。報告よると、そのようです。ただ、もし殺戮モードに入っていたとすると、ナンバー4は、その……見境が利かなくなる事があるため、彼らも〝殺戮距離内〟には入らず、近くに町の者が近付かないよう対応に回っているようです」

 その暗殺部隊の隊長は、以前、雪弥から直接その忠告を命令で受けてもいた。それはナンバー1達も、把握しているものではあった。