その一瞬後、いくつもの爆発が起こっていた。海の方向から続いてミサイルが何発も打ち込まれ出した。

 次から次へと爆撃がされ、鬼もコンテナも爆音と煙幕を上げて吹き飛ぶ。爆風に煽られた宮橋が、「うおっ」と鉄筋にしがみついた。

「こりゃたまげたね。派手な証拠隠滅ときたか!」

 なんとも規格外だと呟いた宮橋が、海の方向へ明るみを増したブラウンの目を向け「チクショーめ」と、憎たらしげに引き攣り笑顔で言った。

             ※※※

 西大都市にある、国家特殊機動部隊総本部。

 通称、特殊機関の本部の奥が、にわかに慌ただしくなっていた。緊急連絡を受け、地下第一階層にある指令室に即、リザと共にナンバー1が向かった。

 いくつも並んだモニター画面には、各非戦闘員が付いていた。中央の上部には、衛星、レーダー、分析情報などが映された巨大モニターも複数設置されている。

 ナンバー1が駆け付けると、すぐに分析中の一人が叫んだ。

「エージェントナンバー4が、未確認の軍艦から総攻撃を受けています!」
「なんだと!?」

 まさかの展開だった。なぜなら雪弥には、少し休暇がてらの、建前上の任務的な事を与えていただけだったからだ。