――こいつを、殺したい。
カチリ、と互いの思考が初めて全て一致する。
「来い〝番犬〟!」
怨鬼が吠えた一瞬後、再び二人が怒涛の接近戦を始めた。
周りの鬼を殺しながら、雪弥と怨鬼が、互いを殺し合うのを一番の目的としてぶつかり合った。一瞬にして胸を貫かれ、死骸となった鬼ごと攻撃を出す雪弥に、怨鬼も振るった拳で別の鬼の頭部を潰したのも気付かず攻撃を放つ。
二人は、もはや互いしか眼中にない。
だが確実に、周りの鬼の数は減り出していた。このままいけば、戦力図は変わるだろう。
「現代版の地獄絵図かね。相手は、亡者じゃあるまいし」
やれやれと、一番上から眺めている宮橋が、吐息交じりに呟いた。
その時、彼は遅れて空からの異常に気付いた。しかし、目を向けようとした時には、ソレは戦闘の場へ突っ込んでいた。
雪弥と怨鬼の方が、宮橋よりも早く反応した。互いが距離を取って一つを避けると、次に向かってきた〝物〟をそれぞれが素手と足で打ち返す。
カチリ、と互いの思考が初めて全て一致する。
「来い〝番犬〟!」
怨鬼が吠えた一瞬後、再び二人が怒涛の接近戦を始めた。
周りの鬼を殺しながら、雪弥と怨鬼が、互いを殺し合うのを一番の目的としてぶつかり合った。一瞬にして胸を貫かれ、死骸となった鬼ごと攻撃を出す雪弥に、怨鬼も振るった拳で別の鬼の頭部を潰したのも気付かず攻撃を放つ。
二人は、もはや互いしか眼中にない。
だが確実に、周りの鬼の数は減り出していた。このままいけば、戦力図は変わるだろう。
「現代版の地獄絵図かね。相手は、亡者じゃあるまいし」
やれやれと、一番上から眺めている宮橋が、吐息交じりに呟いた。
その時、彼は遅れて空からの異常に気付いた。しかし、目を向けようとした時には、ソレは戦闘の場へ突っ込んでいた。
雪弥と怨鬼の方が、宮橋よりも早く反応した。互いが距離を取って一つを避けると、次に向かってきた〝物〟をそれぞれが素手と足で打ち返す。