不意に、鬼共が抉れたコンクリートごと宙を舞っていた。気付いた時には、それらを蹴散らした怨鬼が、雪弥の目の前まで迫っていた。
「なっ……!」
一瞬、想定外の速さに、雪弥は不意を突かれた。まずは力比べたと言わんばかりに怨鬼に拳を突き出され、そのまま咄嗟に受け止める。
少し後ろへと滑りかけ、足元のコンクリートを砕いて両足を踏ん張って耐えた。初めて力に押し負かされそうになった。こうして対面してみると、怨鬼の背丈は、雪弥の身長より遥かに高い。
「あんた、自分の部下の何人か弾け飛んだけど、いいのか?」
なんつー馬鹿力だよ、と忌々しく思いながら雪弥はどうにか言った。衝突した一瞬、戦車を受け止めた時よりも重かった。
怨鬼が、ギラギラとした赤い目に狂気を浮かべて笑った。
「雑魚など蹴散らせ! さぁ、殺し合おうぞ!」
怪力は上々と満足したのか、ギザキザの歯を見せながらそう述べたかと思ったら、不意に噛みついてきた。
「なっ……!」
一瞬、想定外の速さに、雪弥は不意を突かれた。まずは力比べたと言わんばかりに怨鬼に拳を突き出され、そのまま咄嗟に受け止める。
少し後ろへと滑りかけ、足元のコンクリートを砕いて両足を踏ん張って耐えた。初めて力に押し負かされそうになった。こうして対面してみると、怨鬼の背丈は、雪弥の身長より遥かに高い。
「あんた、自分の部下の何人か弾け飛んだけど、いいのか?」
なんつー馬鹿力だよ、と忌々しく思いながら雪弥はどうにか言った。衝突した一瞬、戦車を受け止めた時よりも重かった。
怨鬼が、ギラギラとした赤い目に狂気を浮かべて笑った。
「雑魚など蹴散らせ! さぁ、殺し合おうぞ!」
怪力は上々と満足したのか、ギザキザの歯を見せながらそう述べたかと思ったら、不意に噛みついてきた。