その様子を、巨大な機器の上から、宮橋が眺めていた。

「――チッ、変態共め。普通の反応じゃないぞ、全く」

 宮橋は、惨状に「うげぇ」と顔を顰めつつも見ていた。吹き飛ばされるよりも、刻まれて崩される方が多い。けれどたまに巨大な鉛に体当たりでもされたみたいに、雪弥の体術一つで吹き飛ばされる鬼もあった。

「体積と、それに対して出される力のバランスが、合ってないんだよなぁ」

 思わず宮橋は呟いた。だから、そのアンバランスさを本能的に察すると、いよいよ人は恐怖心を刺激されて脅威を感じる。

 はたから見れば、どちらが本当の鬼か分からないさまだった。

 一見すると、見た目と数もあって鬼達が有利にも思える。しかし押し寄せる彼らが、雪弥より圧倒的に戦力が劣るのが現実だった。

 ――それがモドキで、本物の鬼でなければ、の話だが。

 直後、場に満ちる勢力図は、次の一声と共に互角に転じる。

「よいぞ! 実に残酷で、愉快である! 貴殿こそまさに〝蒼緋蔵の番犬〟! ならばこの怨鬼の大将である私を、見事喰らってみよ!」