「気にするな。僕は絶対に当てない」
「そういう事じゃないんですけど……」

 まぁ、ぶつかったら屋根でも吹き飛ばして、外に連れ出せばいいのか。

 護衛も任務に含まれていたなと思い出して、雪弥はそう考えて引き続き見守った。そうしたら目も向けていないというのに、隣の宮橋が楽しさを消して真面目な横顔をした。

「おい、雪弥君」
「はい、なんですか?」
「先に言っておくが、僕の車の屋根を破壊したらただじゃおかないぞ」

 出会ってからずっと思っているのだが、なんで分かるんだろうなと不思議に思う。そもそも雪弥としては、これまで見てきた『刑事』とイメージが違っていて慣れないでもいた。

「先月、馬鹿三鬼のせいで一台『海に落とす事になって』、先月に買い換えたばかりだ。本当は黄色が好みだったが、急きょで在庫がなくて仕方なくの青だった」

 つまりは百パーセントは気に入っていない。それでも自分の愛車である、というようなニュアンスで宮橋が真剣な声色で言い、雪弥はますます困ってしまった。