着地したポイントは、港沿いの一つに設けられた巨大倉庫のような場所だった。
いくつものコンテナが積み上げられており、潮風を受けて錆も目立った。荷役機器が、作業終了と共に放り投げられたかのように停められてあった。
「これ、必要な事なんですか?」
だだった広いその敷地の中、雪弥は周囲のフェンスに沿って歩いていた。宮橋はコンテナの後ろの細くなっているところも、避けずに進んでいく。
「まぁ、な」
やや間を置いて、前を歩く宮橋が心あらずといった様子で答えてきた。
集中しているのか、雪弥が尋ねてもずっとこの調子だった。考え事でもしているみたいな表情で、時々ぶつぶつと独り言のような何かも呟いている。
そして、気紛れのように、指先をフェンスに滑らしたりもした。
まだ午前中の時間だ。すぐに来客があるとも思えないので、雪弥はしばし宮橋の好きにさせた。彼の後に続きながら、敷地内の地理情報を頭に叩き込む。
「〝オン〟」
不意に、ぞわっと違和感が肌に触れた気がした。
いくつものコンテナが積み上げられており、潮風を受けて錆も目立った。荷役機器が、作業終了と共に放り投げられたかのように停められてあった。
「これ、必要な事なんですか?」
だだった広いその敷地の中、雪弥は周囲のフェンスに沿って歩いていた。宮橋はコンテナの後ろの細くなっているところも、避けずに進んでいく。
「まぁ、な」
やや間を置いて、前を歩く宮橋が心あらずといった様子で答えてきた。
集中しているのか、雪弥が尋ねてもずっとこの調子だった。考え事でもしているみたいな表情で、時々ぶつぶつと独り言のような何かも呟いている。
そして、気紛れのように、指先をフェンスに滑らしたりもした。
まだ午前中の時間だ。すぐに来客があるとも思えないので、雪弥はしばし宮橋の好きにさせた。彼の後に続きながら、敷地内の地理情報を頭に叩き込む。
「〝オン〟」
不意に、ぞわっと違和感が肌に触れた気がした。