「まぁ、〝ナンバー4〟の事だ。関わらない方がいい」
「恐ろしいお方だと、上からも言われているからな」

 ぶるりと、彼らが注意事項を思い出して震え上がる。

 ――実のところ、その雪弥が宮橋に新米の後輩扱いというか、堂々と下僕宣言までされていたとも彼らは知らなかった。


 そんな中、雪弥は先に地上へ降り立った。宮橋の無事の到着をと考えて振り返ったところで、ふと安全を考えて下で「おーらい、おーらい」と待ち構えた。

「あ、やめろ、馬鹿」

 なんか宮橋が言ったが、ばたばたするその足を見て「はてどうしたんだろうな」と思っているいる間に、もうすぐそこまで迫っていて――。

 雪弥は、彼をぼすんっと両腕で抱えて受け留めた。

 その直後、宮橋の手が素早く伸びて、雪弥の顔面を鷲掴みした。直撃した際の衝撃の強さと、ギリギリと締め上げられる感じ。そして次に聞こえた低い声で『怒り』に気付いた。

「だから、お姫様抱っこするなと言った」
「あ……、すみません」

 雪弥は、今になって思い出し、謝ったのだった。