「ご苦労。今回は宮橋さんも同行する、用意は整っているか?」
「はっ、今回はそちら用にパラシュートもご用意致しました!」
「よろしい。僕も、今回は彼に合わせる」

 雪弥は言いながら、軍人に促されヘリに乗り込んだ。続いて宮橋が「足元にご注意ください」と丁寧に案内を受けて進む。

 何かあった時のため、操縦席側には、既に座席に待機している軍人達の姿もあった。けれど彼らは、視線でさえ煩わせないよう、ピシッと背筋を伸ばして押し黙る。

 その様子から、普段の〝ナンバー4〟への接され方が容易に分かった。宮橋が「なるほどね」と呟いて、案内された側面の横続きの座席に腰を下ろした。

「君、普段はパラシュートもなしなのかい?」

 一旦、離陸と飛行の安全用ベルトを軍人にされながら、宮橋が雪弥を見た。

 雪弥は、外から号令が上がって、離陸していく音を聞きながらうーんと考える。

「そうですね。近くなら、身一つの方が早いので」
「君の言う『近く』の距離感は信用ならないな。真似をしたらダメなパターンのやつか」

 離れて搭乗していた軍人達の、一層固くなった緊張と反応から、宮橋は早々に察した。言いながら、開きっぱなしの扉の風景を眺めにかかった。