エレベーターに乗り込み、最上階を目指した。屋上へと続く道のりにはブラックスーツを着た人間が数人いて、雪弥が来るなり「こちらです」と早速案内した。
ヘリポートがある屋上へ出ると、軍服姿の男達の姿もあった。
そこには、軍用の輸送ヘリが、いつでも離陸できる状態でいた。
バラバラと音が立ち、風が雪弥と宮橋の髪とスーツをはためかせた。待っていた全員が、雪弥の姿を目に留めた途端、ピシッと一斉に敬礼姿勢を取って――宮橋がちょっと引いた。
「君、随分怖がられているなぁ」
「そうですか?」
そんな覚えはないのだけれど、と雪弥は黒いコンタクトをした目を彼らへ向けた。
すっと視線が合った彼らが、ピリピリした緊張状態で敬礼姿勢を強めた。目をやや上にそらして、悲鳴の代わりのように揃って答える。
「〝ナンバー4〟! お待ちしておりました!」
軍用ヘリの、風の音に負けないようにだろう。
雪弥は、強風で邪魔になるコンタクトを外しにかかりながら向かった。一歩前に出た彼がリーダーだろうと推測して、とくに目も向けないまま声をかける。
ヘリポートがある屋上へ出ると、軍服姿の男達の姿もあった。
そこには、軍用の輸送ヘリが、いつでも離陸できる状態でいた。
バラバラと音が立ち、風が雪弥と宮橋の髪とスーツをはためかせた。待っていた全員が、雪弥の姿を目に留めた途端、ピシッと一斉に敬礼姿勢を取って――宮橋がちょっと引いた。
「君、随分怖がられているなぁ」
「そうですか?」
そんな覚えはないのだけれど、と雪弥は黒いコンタクトをした目を彼らへ向けた。
すっと視線が合った彼らが、ピリピリした緊張状態で敬礼姿勢を強めた。目をやや上にそらして、悲鳴の代わりのように揃って答える。
「〝ナンバー4〟! お待ちしておりました!」
軍用ヘリの、風の音に負けないようにだろう。
雪弥は、強風で邪魔になるコンタクトを外しにかかりながら向かった。一歩前に出た彼がリーダーだろうと推測して、とくに目も向けないまま声をかける。